北極茶釜:狸沼(たぬま)のブログ

日記・時事問題、自作小説(R指定?)。/「もえるあじあ」「保守速報」や「余命~」とかをよく見てますw

黒犬ヘル急便 7三丁目ラジオ、羅刹きりたんぽ

三丁目ラジオ(黒縄地獄の海賊放送)で牛頭羅刹と馬頭羅刹が出ていた。

「いやー、靖国待ち伏せしちゃいましたよ。ほら、朝鮮小ネズミ国賊の倅とかが、終戦記念日にしたり顔で参拝して愛国者面してやがったでしょ? 狛犬(元軍用犬)から通報があって、出てきたところを「御用」でしたな。殺すのはあとの予定だったんで、魂を半分抜いて地獄に送ってやりましたよ」

シャイな牛頭さんは照れたような声で楽しげに事情を話す。ギリシャ神話でも「牛の目」は優しげで魅力的な容貌の比喩だし、彼には子牛のようなピュアなところがあるそうな。
なんでも最初は「仁王像なんてあったか?」などと間の抜けたリアクションをされたので、「いえ、地獄の方から来ました」と丁寧に説明し、泣き叫んで逃げようとする小ネズミJr.を「さあどうぞ、遠慮なさらずに。あなたは地獄のVIPなんですから、まだ生きているけどお連れしますよ」と親切に担ぎ上げて火の車に乗せてやったとか。

それからお調子者の馬頭羅刹がヒヒーンと笑った。
「それからコイツ(牛頭)が一人で火の車を引っ張っていって。残ったワイはついでに共産党員の、さんざん悪さしとったバカ女も送ってやった。特別サービスで駅弁抱っこしながら地獄まで「飛脚プレイ」したけどな、ワイのビッグな逸物で大喜びで「逝く逝くー!」ゆーて、う、むぐ!」

大爆笑の様子だったが、どうやら牛頭が手で馬頭の口を塞いで、全年齢向けではない話題を引き留めたらしかった。
「めっちゃん(馬頭)、そりゃダメだよ。子供のリスナーが夢の中でこのラジオを聞いてるかもしれないんだから。ほら、収録見物にキョンシーの小さな女の子がいるじゃないか」

馬頭は減らず口を叩く。
「だったら「チベット死者の書」(バルドゥテェドル、タドルの書)とかも十八禁じゃねえの? しょっぱなから出迎えに来るのがアレだぜ? ちょっとオマージュしただけだよ」

牛頭はたしなめた。
「いや、それは文化が違うし、あのお経はチベット密教の哲学を図像で表現してるだけだし」
「エロスは文化だー! ひゃっほう、千里を駆け抜ける駅弁サービス受付中! そこなキョンシーのお嬢ちゃんも、大人になったらいつでもお相手しますがな」

おそらく馬頭が暴走し、卑猥な動作でふざけたのか、会場はどっと湧いた。
だがやがて若い女?(ディレクター?)の怒鳴り声がして急にCMが入る。
最後に羅刹女がノリノリで、リスナーへの特別プレゼントに「罪人と馬の陽物きりたんぽセット」を紹介していた(スポンサーの一つは地獄の肉屋でハムとかが多い)。一説では「羅刹」には去勢の意味があるとかないとか。

   *  *  *

牛頭はあとで(再生治療中の)馬頭に言った。

「なんで羅刹女に怒られたかわかるか?」
「ワイが助平なこと言ってバカやって騒いだからだろ? いつもは笑っとるくせに何を気取ってやがったんだ?」
「違う、そんなことじゃない。あの子(キョンシー)はもう死んでるんだから、永久に大人にはなれない」

幸い、飼い犬のチャウチャウさん(実は妖怪仙人)とは無事再会したとか。

 

 

※(備考)前後編だった6・7話を一つの第6話にまとめたため、時系列的に適当な新しい話を差し替えで入れました。