北極茶釜(再度に逃亡w)

西洋史エッセイ、コントと寓話、時事問題など

黒犬ヘル急便 15.ビッグ・マウスな一口(ポッポ地獄変・前編)/考察:「日本霊異記」のことから(日本の国体とか朝廷とか)

「あるー日、鳩山がー、
 ピンポン開けると、
 でっかいワンコロと牛頭馬頭にであったー」(ナレーション)

餌を食べ過ぎて育ち()すぎ、暑さで熱膨張したヘル急便(耳の垂れた黒い犬)、一時的に体高三メートル。「地獄の使者」としての使命を果たすために、鳩山ポッポのお宅に押し掛けたのである。

「ヘル急便です。VIPクラスでご予約ありがとうございます。お礼に国賊プレミアムのコリア混血の鳩肉を味見しにきました」

その左右では、さながら家畜を世話する農夫のように付き添う牛頭馬頭が、サービスパフォーマンスをしている。具体的にはボディビルダーのように肉体美と自信に溢れたマッチョなポーズ、本人たちは「気合いの入った俺たちってカッコいい」と思っているはず。
一方の鳩山ポッポは頭と胸くらいまで巨犬にくわえられ、顔面と頭全部を舌で舐め転がされ、窒息してもがいている。

「ぐげっ! 不味い!」

ヘル急便は鳩山ポッポを吐き出し(既に真っ青になって失神している)、そのまま嘔吐した。
その犬のゲロから「もう一人の鳩山」が、ウジの涌くように這い出してくる。下等さゆえなのか、魂がアメーバのように分裂して、二人に分身したのである。

 「よし、逝こうか」

待ちわびていた牛頭と馬頭が、鳩山の魂の半分を先に地獄に連れていった。

 

     *  *  *

 

考察:「日本霊異記」のことから(日本の国体とか朝廷とか)

 

たとえば「日本霊異記」という、古い説話文学の本がある。平安初期くらいにある僧侶が書いた説教用の種本で上中下巻に分かれている。仏教的な勧善懲悪の立場から書かれており、縁起話が多い。また、「坊主のエゴイズム」や「牽強付会」と思われる話の運びも多いのだけれども、それでも興味深く、また民衆の教化(日本的な倫理観の養成)に一役買ったことに変わりはない。

聖徳太子聖武天皇は仏教を庇護した事情があって、非常に尊崇されている。なお、日本の天皇は「男系」で続いており「女系天皇」はあり得ないわけだが、反日左翼学者が主張する「聖徳太子不在説(または抹殺工作)」も同様に狂っている。

……なぜなら「霊異記」の編纂されたのが平安初期ならば、聖徳太子が生きていたのは百数十年前なわけで、現代日本人が幕末の話を語るのと同じである(「徳川幕府の歴代将軍や、西郷隆盛坂本龍馬は実在しなかった」と同程度のトンデモ学説でしかない)。ゆえに伝説化されるほどに高徳で国民から慕われた聖徳太子がいたことは事実に決まっている。

また類似の「国民の啓蒙・教化」事例として、奈良時代の「続日本紀」(歴史の本)などを見ていると、天皇が事あるごとに「孤児・老人や寡婦・やもめを皆で気遣いなさい」(具体的には祝い事の際に食料などの配布を全国に命じている)と詔勅を出しており、完全な救済にこそ至らずとも、天皇・朝廷の態度や姿勢によって地方豪族や国民全般への感化効果はあったと推測される。……時代の古さを考えれば飢饉や疫病も頻繁で、民衆も貧しく、地方の有力者などのモラルも低かったわけで、当時の日本人民衆の困窮の原因を日本・朝廷にばかり(責任として)帰すのは間違いである。

 

余談ながら。

自分は日本の皇室(と朝廷の公卿・華族)というのは、インドのバラモン階級(儀礼・祭祀を司る最上位階級)と類似していると思っています。クシャトリヤ(王・戦士=日本の将軍や武士)以下の「実務階級」よりも上で、世俗的な「権力」ではなく純然たる「徳」を司り、古代中国の聖天子の「徳治主義」を歴史的に体現してきた。中国人の間違っている点は「権力」と「権威(徳)」をごっちゃにしていることだといわれますが、彼らの場合には日本の「朝廷(天皇)と幕府(や今の政府)」のような分業と連携ができなかったために、そのような事態となっている。
日本では建武の親政や明治帝政などの「親政」はむしろ例外で「緊急時出動」の事例なのだと私は考えます。「天皇親政」は一時的には爆発的な力を生み出すものの、それは長期的な常態とするべきではない(日本の国民による自己統治の伝統にそぐわず自滅を招く)。なぜならば天皇の負担過重や国民自身の無責任助長(「神頼み・天皇頼み」)を生んで破綻を招くからです。あの善君であった昭和天皇でさえそうだったのですから、我々国民はいい加減に学習するべきでしょう。

つまり日本では幕府以来の「国民自身の自己責任での実務統治」+「(天皇の)間接的な徳地主義統治」の二本立てが基本伝統で「親政」は例外・非常事態体制みたいなものです。共産主義者たちの「天皇は打倒すべき独裁君主で絶対悪」というプロパガンダを真に受けてはいけないと思われます。